ラムネ・ほかよんへん
ラムネ・他四編

冒頭文

ラムネ ラムネといふもの、不思議になつかしく愉快なものだ。夏の氷屋などでは、板に丸い穴をあけて、そこに幾つとなく、ラムネを逆さにして立てて居る。それがいかにも、瓦斯(ガス)のすさまじい爆音を感じさせる。僕の或る友人は、ラムネを食つて腹が張つたと言つた。あれはたしかに瓦斯(ガス)で腹を充滿させる。 だがこの頃、ラムネといふものを久しく飮まない。僕の子供の時には、まだシヤンパンサイダといふものが

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「令女界 第七卷第八號」1928(昭和3)年8月号

底本

  • 萩原朔太郎全集 第八卷
  • 筑摩書房
  • 1976(昭和51)年7月25日