むろうさいせいにあたう |
| 室生犀星に与ふ |
冒頭文
室生君! 君との友情を考へる時、僕は暗然たる涙を感ずる。だがそれは感傷でなく、もつと深い意味のものが、底から湧いてくるやうに思はれる。いかにしても、僕にはその意味が語りつくせない。だが力の及ぶだけ、貧しい表現をつくしてみよう。 室生君! いかに過去に於て、僕が君の詩に魅惑されたか。君の「抒情小曲集」にある斷章や「ふるさと」の詩を、始めて北原白秋氏の雜誌で見た時に、僕は生來かつて知らない
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「新潮 第二十五年第一號」1928(昭和3)年1月号
底本
- 萩原朔太郎全集 第八卷
- 筑摩書房
- 1976(昭和51)年7月25日