むろうさいせいくんのじんぶつについて
室生犀星君の人物について

冒頭文

最近第一書房からして、僕の選した室生犀星君の詩集が出るので、この際僕の見た室生君を、人物的に略記してみたいと思ふ。尤も僕は、以前から幾度も室生君のことを書き、むしろ書きすぎてゐるほどであるが、最近彼が大森へ移轉して來て、田端以來の舊交が大に温まつたので、また新しく書く感興が起つたのだ。 人物としての室生君は、だれも言ふ如く眞に純情無比の人である。(作品としてもさうであるが、この場合は成るべく人

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「オルフェオン 第八號」1929(昭和4)年12月号

底本

  • 萩原朔太郎全集 第八卷
  • 筑摩書房
  • 1976(昭和51)年7月25日