はつゆき |
| 初雪 |
冒頭文
十二月の四日から此處に來てゐます。二日に秋聲氏と一緒に來る約束をしてゐたのですが、その日は私の持病の頭痛の發作が起つたので、秋聲氏はその最中に見舞かた〴〵私の樣子を見に來てくれました。で、秋聲氏も一日延ばし、翌日三日は朝から大雨でしたが、氏はその雨の降る最中をこゝにやつて來たのでした。私はその又翌日四日の午後から東京を立つてきました。こゝは東京から來るのに電車の便の惡い所です。京濱電車を降りてから
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「早稻田文學 第百八十二號 大正十年一月號」1921(大正10)年1月1日
底本
- 秋江隨筆
- 金星堂
- 1923(大正12)年6月25日