かるいざわより おがわみめいくんへ
軽井沢より 〔小川未明君へ。〕

冒頭文

小川未明君へ。 先日のある新聞で、二兒を左右に伴つた君の勇ましい寫眞を拜見しました。それからその下に掲げられた君の談話の中に、「少しでもいゝ空氣を子供に吸はせたいために朝早く雨戸を開けてやる。」と云つてゐられるのを讀んで、君の側で君の話を聞いてゐるやうな氣がしました。そして、此方の清涼な空氣を君の天神町の二階まで輸送して上げたいと思ひました。(大阪のある富豪が六甲山の空氣を自分の部屋へ水道の鐵

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「時事新報」1920(大正9)年8月21日

底本

  • 正宗白鳥全集第二十六卷
  • 福武書店
  • 1986(昭和61)年3月31日