じせんかふうひゃっく
自選 荷風百句

冒頭文

自選 荷風百句序 わが発句の口吟(こうぎん)、もとより集にあむべき心とてもなかりしかば、書きもとどめず、年とともに大方(おおかた)は忘れはてしに、おりおり人の訪(とい)来りて、わがいなむをも聴かず、短冊色帋(しきし)なんど請(こ)わるるものから、是非もなく旧句をおもい出(いだ)して責(せめ)ふさぐことも、やがて度重(たびかさな)るにつれ、過ぎにし年月、下町のかなたこなたに佗住(わびずま)いして、

文字遣い

新字旧仮名

初出

「おもかげ」岩波書店、1938(昭和13)年7月10日

底本

  • 麻布襍記 ――附・自選荷風百句
  • 中公文庫、中央公論新社
  • 2018(平成30)年7月25日