じせき
自責

冒頭文

扉(と)が開いたけれど、私は廊下に立ちどまってもじもじしていると、 「此室(こちら)でございます」 私を迎えに来て其家(そこ)まで案内してくれた婆さんが、こういって再び促したので、私は思いきって入って行った。 室内(なか)はいやにうす暗くて、初めは低い蓋(かさ)をかぶせたランプの外(ほか)何も見えなかったが、だんだん眼が慣れて来るにしたがって、一箇の人影がぼんやりと壁にうつっているのを認めた

文字遣い

新字新仮名

初出

「新青年」1924(大正13)年8月増刊号

底本

  • 夜鳥
  • 創元推理文庫、東京創元社
  • 2003(平成15)年2月14日