じょしきりがみねとざんき
女子霧ヶ峰登山記

冒頭文

余は熱心なる女子登山希望者である。曩(さき)に三河国の某女が、下駄がけを以て富士登山の先駆をなし、野中千代子が雪中一万二千尺の山巓(さんてん)に悲壮なる籠居(ろうきょ)を敢てせし以来、奈良朝の昔、金峰山の女尼が、六尺男児を後(しり)へに瞠若(どうじゃく)たらしめた底の女子が追々増加して、三十五六年頃からは、各地女学校の団隊が追々富士登山を試みる様になったのは、寔(まこと)に喜ばしい現象である。余の

文字遣い

新字新仮名

初出

「山岳 第一年第一號」日本山岳會、1906(明治39)年4月5日

底本

  • 紀行とエッセーで読む 作家の山旅
  • ヤマケイ文庫、山と渓谷社
  • 2017(平成29)年3月1日