あくたがわくんとのこうさいについて
芥川君との交際について

冒頭文

芥川君と僕との交際は、死前わづか二三年位であつたが、質的には可なり深いところまで突つ込んだ交際だつた。「君と早く、もつと前から知り合ひになればよかつた。」と、芥川君も度々言つた。僕の方でも、同じやうな感想を抱いて居たので、突然自殺の報告に接した時は、裏切られたやうな怒と寂しさを感じた。 芥川君の性格には、一面社交的の素質があつたので、友人が非常に多かつた。しかし本當の打ちとけた親友といふものは

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「芥川龍之介全集 月報第六號」1935(昭和10)年4月

底本

  • 萩原朔太郎全集 第九卷
  • 筑摩書房
  • 1976(昭和51)年5月25日