こいずみやくものかていせいかつ むろうさいせいとさとうはるおのにしゆうをしのびつつ
小泉八雲の家庭生活 室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ

冒頭文

万葉集にある浦島(うらしま)の長歌を愛誦(あいしょう)し、日夜低吟(ていぎん)しながら逍遥(しょうよう)していたという小泉八雲は、まさしく彼(かれ)自身が浦島の子であった。希臘(ギリシャ)イオニア列島の一つである地中海の一孤島(ことう)に生れ、愛蘭土(アイルランド)で育ち、仏蘭西(フランス)に遊び米国に渡(わた)って職を求め、西印度(インド)に巡遊(じゅんゆう)し、ついに極東の日本に漂泊(ひょうは

文字遣い

新字新仮名

初出

「日本女性」1941(昭和16)年9月号・10月号

底本

  • ちくま日本文学全集 萩原朔太郎
  • 筑摩書房
  • 1991(平成3)年10月20日