「し」しょうせつと「しんきょう」しょうせつ
「私」小説と「心境」小説

冒頭文

一 此頃文壇の一部に於て、心境小説と云ふものが唱道され、又それに対して、飽くまで本格小説を主張する人々が在つて、両々相譲らないと共に、それに附随して、私小説と云ふものと、三人称小説との是非が、屡々論議された。 心境小説と云ふのは、実はかく云ふ私が、仮りに命名したところのもので、其深い趣意に就ては、いづれ章を改めて述べるが、只茲に一言で云へば、作者が対象を描写する際に、其対象を如実に浮ばせるよ

文字遣い

新字旧仮名

初出

一「文藝講座 第七號」文藝春秋社、1925(大正14)年1月15日<br>二「文藝講座 第十四號」文藝春秋社、1925(大正14)年5月15日

底本

  • 編年体 大正文学全集 第十四巻 大正十四年
  • ゆまに書房
  • 2003(平成15)年3月25日