うもんとりものちょう 25 そとばをまつったこめびつ
右門捕物帖 25 卒塔婆を祭った米びつ

冒頭文

1 その第二十五番てがらです。 事の起きたのは仲秋上浣(じょうかん)。 鳶(とび)ノ巣山(すやま)初陣(ういじん)を自慢の大久保彦左(ひこざ)があとにも先にもたった一度詠(よ)んだという句に、 「おれまでが朝寝をしたわい月の宿」 という珍奇無双なのがあるそうですが、月に浮かれて夜ふかしをせずとも、この季節ぐらい、まことにどうも宵臥(よいぶ)し千両、朝寝万両の寝

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 右門捕物帖(三)
  • 春陽文庫、春陽堂書店
  • 1982(昭和57)年9月15日