じゃしゅうもん
邪宗門

冒頭文

一 先頃大殿様(おおとのさま)御一代中で、一番人目(ひとめ)を駭(おどろ)かせた、地獄変(じごくへん)の屏風(びょうぶ)の由来を申し上げましたから、今度は若殿様の御生涯で、たった一度の不思議な出来事を御話し致そうかと存じて居ります。が、その前に一通り、思いもよらない急な御病気で、大殿様が御薨去(ごこうきょ)になった時の事を、あらまし申し上げて置きましょう。 あれは確か、若殿様の十九の御年だった

文字遣い

新字新仮名

初出

「東京日日新聞」1918(大正7)年10~12月

底本

  • 芥川龍之介全集2
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1986(昭和61)年10月28日