かいそう
回想

冒頭文

私は日露開戰の前年、讀賣新聞社に入社して、滿七年間の勤務を續けたのであつたが受け持ちは、主として美術、文學方面の消息を傳へることと、作品の批評をすることで、演劇の批評もしてゐた。今日の文化欄を主宰してゐたのだが、何もかも一人でやつてゐるやうなものであつた。當時の讀賣は、美術新聞であり文學新聞であつたものだが、さういふ新聞に於いて年少の私が一人で自由自在に殆んど何の束縛もなく、藝術全般の批評を試みて

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「読売新聞から見た日本文化の八十年」読売新聞社、1955(昭和30)年3月20日

底本

  • 正宗白鳥全集第二十九卷
  • 福武書店
  • 1984(昭和59)年3月31日