しょうにせいぞんけんのれきし |
| 小児生存権の歴史 |
冒頭文
兒童の生存權に就ては、私が云ふまでもなく民法の原則によつて世界中非常な變遷を經て今日の状態に至つてゐるが、その生存の權利それ自身がいつから始まつたかはつきりしてゐない。それがどう云ふ風な變遷を經て、又如何なる觀念によつて今日までに至つたか、それを一通り話して見たいと思ふ。 人間が一人前になつたと云ふ一つの標準に成年式と云ふものがある。日本では兵役の關係があつたと思ふが、近年になつて民法制定の際
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「愛育 一卷三號」1935(昭和10)年9月
底本
- 定本柳田國男集 第十五巻
- 筑摩書房
- 1963(昭和38)年6月25日