おやかたこかた
親方子方

冒頭文

第一 親といふ漢字を以て代表させて居るけれども、日本のオヤは以前は今よりもずつと廣い内容をもち、之に對してコといふ語も、亦決して兒又は子だけに限られて居なかつた樣に思ふ。その證據は既に幾つか發見せられて居るのだが、詳しく其一つ〳〵を解説する時間が無い。爰には只主要なる或問題を敍述する序を以て、一通り個々の要點に觸れて置くに止める。 オヤとコとの内容が本來はもつと廣かつたらしい證據は文獻の上に

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「家族制度全集史論篇第三卷親子」河出書房、1937(昭和12)年12月20日

底本

  • 定本柳田國男集 第十五巻
  • 筑摩書房
  • 1963(昭和38)年6月25日