しゅみのしゅうよう
趣味の修養

冒頭文

何處までも〳〵芋畑や雜木林ばかりで退屈な汽車の窓に、小ぢんまりとした木立が見えて、それが近づくにつれて庭には草花が綺麗に咲かせてあつて、その中に白い鷄が遊んで居る、家の造りも面白い、こんな時に、飛ぶやうに通り過ぎて行く旅人の目にも、先づ床しいものは其家の主人である。また裏長屋の軒竝を歩いて居るうちに、不圖ある家の窓から床の間の一軸、それが名も無い畫家の作であるかも知れぬ、その前に活けてある花瓶が市

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「興風」1922(大正11)年8月

底本

  • 會津八一全集 第七卷
  • 中央公論社
  • 1982(昭和57)年4月25日