ちめいのけんきゅう
地名の研究

冒頭文

自序 始めて自分が日本の地名を問題にしたのは、この本の中にもある田代(たしろ)・軽井沢であった。田代がどこに往(い)ってもかなりの山の中にばかりある理由が何かあるらしく思われたのが元であった。算(かぞ)えてみるともうその頃から、優に三十年を越えている。三十年もかからなければ一冊の本も出せぬような、大きな研究項目ではもちろんない。むしろあまりに小さくかつ煩瑣(はんさ)なる仕事であるがゆえに、多くの

文字遣い

新字新仮名

初出

地名の話「地学雑誌 第二四年第二八六号~第二八八号」東京地学協会、1912(大正元)年10月15日、11月15日、12月15日<br>地名と地理「地理学評論 第八巻第五号~第六号」古今書院、1932(昭和7)年5月1日、6月1日<br>地名と歴史「愛知教育 第五五九号」愛知県教育会、1934(昭和9)年7月1日<br>地名考説 一~四、一九後半、三一後半「民族」民族発行所、1926(大正15)年5月~1927(昭和2)年3月<br>地名考説 五~一八、一九前半、二〇~二二、二五~二八、三一前半「歴史地理」三省堂書店、1910(明治43)年2月~1912(明治45)年8月<br>地名考説 四五~四八「土俗と伝説」文武堂書店、1918(大正7年)8月~1919(大正8)年1月<br>地名考説 五五「考古学雑誌」聚精堂、1911(明治44)年5月15日<br>地名考説 二三~二四、二九、三〇、三二~四四、四九~五四「郷土研究」郷土研究社、1913(大正2)年3月~1917(大正6)年3月

底本

  • 柳田國男全集20
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1990(平成2)年7月31日