ぶんがくしのだいいっちゃくはいでたり |
| 文学史の第一着は出たり |
冒頭文
關根正直氏の手に成りたる「小説史稿」は兔に角日本文學史の第一着手なり。吾人は氏の「史稿」に於いて甚だ失望する所なきにあらず、然れども是は敢へて氏に責む可き所ならず、却て氏に許す可きは、氏が此の事業に一鞭を着け、以て吾人を勵まし、且つ吾人をして大に據る所を得せしめし事にあり。 今ま歐洲の歴史は、文學史の討究によりて局面を一變せんとす、眞正の内部、將さに從來の外部と共に照然たらんとす。文學は空漠た
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「女學雜誌 第二百十一號」女學雜誌社、1890(明治23)年5月3日
底本
- 透谷全集 第一卷(全三卷)
- 岩波書店
- 1950(昭和25)年7月15日