いまのしゃせいぶん
今の写生文

冒頭文

▲英國現代の文學者に、ホワイトといふ人がある。わが國ではまだ知られてゐない、英國の讀書界、殊に家庭の間には、非常に持て囃されてゐる。その人の作に、『セルボーンの博物學』と云ふ書物がある。全編書翰體で、セルボーンから寄せたやうになつてゐる。今日は森に入つて、こんな珍らしい草花を發見したとか、今日はかういふ樹木を見たとか、今日はかういふ鳥を見たとか、日ごと〳〵の出來事を書いたものだが、その筆法がいかに

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「文章世界」1907(明治40)年3月

底本

  • 抱月全集第四卷
  • 天佑社
  • 1919(大正8)年9月30日