だいとうだまたはとうぼしだというちめい
大唐田または唐干田という地名

冒頭文

トウボシという稲について、本誌紙上質問の第一号に答を求めたのは自分であった。残念ながらこの稲の特殊の由来に関してはいまだ多く得るところがない(郷土研究一巻二五一頁、六三七頁等参照)。トウボシの実飜(みこぼ)れ多きこと、及びこれを糒(ほしい)にすることも事実であるが、それが名称の起原だという説の信じにくい理由は、前者については怪我(けが)にもトウコボシまたはトウコボレと呼んだ例を聞かぬこと、後説に付

文字遣い

新字新仮名

初出

「郷土研究二卷五號」郷土研究社、1914(大正3)年7月1日

底本

  • 柳田國男全集20
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1990(平成2)年7月31日