うもんとりものちょう 26 ななななのだいだい
右門捕物帖 26 七七の橙

冒頭文

1 その第二十六番てがらです。 物語の起きたのは年改まった正月のそうそう。それも七草がゆのその七日の朝でした。起きても御慶、寝ても御慶の三カ日はとうにすぎたが、なにしろまだめでたいし、松の内はお昼勤めとお許しの出ているその出仕には時刻がまだ少し早いし、朝の間のそのひとときを、ふくふくとこたつに寝そべりながら、むっつり右門のお正月はやっぱりこれじゃといわぬばかりに、そろりそろりとあご

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 右門捕物帖(三)
  • 春陽文庫、春陽堂書店
  • 1982(昭和57)年9月15日