ひばりのこ |
| ひばりの子 |
冒頭文
今年八つの一郎さんと、六つのたえ子さんとを、気だての優しい婆(ばあ)やが、一人でお守りをしておりました。その婆やが或日のこと、お里へまいりました時、かわいいかわいいひばりの子を一つ袂(たもと)のなかへ入れてかえりました。それを見ると、一郎さんが、 「おやっ!」と云って婆やのそばへ駈けよりました。「あらっ!」とたえ子さんも駈け寄ってのぞきこみました。 婆やはあまり二人の声が大へんなので、あとずさり
文字遣い
新字新仮名
初出
「良友」コドモ社、1920(大正9)年4月号
底本
- 岡本かの子全集1
- ちくま文庫、筑摩書房
- 1994(平成6)年1月24日