うきよえのかんしょう
浮世絵の鑑賞

冒頭文

一 我邦(わがくに)現代における西洋文明模倣の状況を窺(うかが)ひ見るに、都市の改築を始めとして家屋什器(じゅうき)庭園衣服に到るまで時代の趣味一般の趨勢に徴(ちょう)して、転(うた)た余をして日本文華の末路を悲しましむるものあり。 余かつて仏国(ふつこく)より帰来(かえりきた)りし頃、たまたま芝霊廟(しばれいびょう)の門前に立てる明治政庁初期の官吏某(ぼう)の銅像の制作を見るや、その制作者

文字遣い

新字新仮名

初出

「中央公論 第二十九年第一號」1914(大正3)年1月

底本

  • 荷風随筆集(下)[全2冊]
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1986(昭和61)年11月17日