ほんぽうしょうぞうちょうこくぎほうのすいい
本邦肖像彫刻技法の推移

冒頭文

わが国古来の彫刻といえば殆ど皆仏像である。記紀上代の神々の豊富な物語はまるで彫刻の対象とならなかった。藤原期に及んで神像というものが相当に作られたが遂に大勢を成すに至らなかった。(大黒天は大己貴命だと世上でいうのは俗説である。)この点、オリムポスの神々がギリシヤ彫刻に豊饒な人間的資材を提供していた西欧の事情とは大に違う。仏像は仏典によって指示せられた超人間的霊体の顕現であるから、その第一の条件とし

文字遣い

新字新仮名

初出

「道統 第四巻第十号」1941(昭和16)年11月1日

底本

  • 仏教の名随筆 2
  • 国書刊行会
  • 2006(平成18)年7月10日