ふゆのほうりゅうじもうで
冬の法隆寺詣で

冒頭文

十二月中旬、私は法隆寺詣でをした。私は青年のころから今日までに幾度この寺へ行ったことか。さして意味のある事ではないので、ただ何かのはずみで身に着いた習慣を追っているようなものである。半世紀あまりも前に、Y新聞の美術面担任記者となった時、それでは奈良の寺院や仏像ぐらいは、一通り見て置かねばなるまいと思い立って、上野の博物館員の紹介状をもらって出掛けた。法隆寺では、夢殿の観音の修理をしていた。私はいわ

文字遣い

新字新仮名

初出

「読売新聞」1958(昭和33)年1月1日

底本

  • 仏教の名随筆 1
  • 国書刊行会
  • 2006(平成18)年6月20日