ひんぷこうふこう
貧富幸不幸

冒頭文

もしそれ真の意味に於(おい)て言を為せば、貧と富とは幸福と不幸福とに対して相即(つ)くところは無い。貧でも幸福であり得、また不幸福であり得、富でも不幸福で有り得、また幸福で有り得るからで有る。しかし世上普通の立場に於て言を為せば、貧ということは不幸福を意味し、富ということは幸福を意味することになって、貧富は幸不幸に相即くものとなって居る。貧は不自由と少能力との体であり、富は自由と多能力との体である

文字遣い

新字新仮名

初出

「現代」1923(大正12)年1月号

底本

  • 仏教の名随筆 1
  • 国書刊行会
  • 2006(平成18)年6月20日