さいれいめいいとそのぶんるい |
| 祭礼名彙と其分類 |
冒頭文
現在我々の同胞の持傳へて居る生活ぶりの中から、どの程度にまで固有信仰のうぶな姿と、永い歳月に亙つた變遷の跡とを、窺ひ知ることが出來るかといふことは、日本民俗學の最も大切な力だめしであるが、私たちは是に二つの相助ける手段があると思つて居る。その一つは人の平常の言葉や考へ方の中に殆と無意識に保留して居る昔風の名殘を集めて見ることで、此方はよその國でも盛んに試みて居るが、なほ其中堅ともいふべき傳説といふ
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「民間傳承十一號」1936(昭和11年)年7月
底本
- 定本柳田國男集 第二十九巻
- 筑摩書房
- 1964(昭和39)年5月25日