がっこうのこんじゃく |
| 学校の今昔 |
冒頭文
私には子供がないから、學校の撰擇、入學の困難について心を惱ましたことがない。そして、私自身は、教育制度の混沌曚昧たりし時代に成長したお蔭で、入學にも卒業にも、試驗の苦しみなんかは、寸毫も經驗しなかつた。たゞ小學校時代に、小さな弱い身體で體操をやらされた時だけ學校苦を感ぜさゝれた。そして早くから官立を窮屈な所と厭はしく思つてゐた。當時修學慾に燃える青少年の憧憬の的となり、絶大の權威をもつてゐた帝國大
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「読売新聞 夕刊」読売新聞社、1937(昭和12)年7月31日
底本
- 正宗白鳥全集第二十七卷
- 福武書店
- 1985(昭和60)年6月29日