ぜんとかくせいふ
全都覚醒賦

冒頭文

上 静(しづ)かにすゝむ時(とき)の輪(わ)の軋(きしり)つたへて幽(かす)かにも——白光(はかう)、小鳥(ことり)にゆるゝごと明日(あす)の香(か)ゆらぐ夢(ゆめ)の浪(なみ)薄紫(うすむらさき)にたゞよひて白帆(しらほ)張(は)りゆく霊(れい)の舟(ふね)円(まろ)らに薫(かほ)る軟(そよ)かぜの千里(ちさと)の潮(しほ)の楽(がく)の音(ね)と人(ひと)が息吹(いぶき)は力(ちから)あるいの

文字遣い

新字旧仮名

初出

「早稻田學報 第百拾貮號」早稻田學會、1905(明治38)年1月1日

底本

  • 白秋全集 1
  • 岩波書店
  • 1984(昭和59)年12月5日