うもんとりものちょう 11 みがわりはなよめ
右門捕物帖 11 身代わり花嫁

冒頭文

1 ——ひきつづき第十一番てがらに移ります。 事の勃発(ぼっぱつ)いたしましたのは師走(しわす)の月ずえ。今までもしばしば申し上げたように、当今とは一カ月おくれの太陰暦ですから、師走は師走であっても、ずっと寒気がきびしくて、朝夕はへそまでが凍りそうな寒のさいちゅうでした。 しかし、陽気はいかに寒いにしても、犬が東を向けばその尾は必ず西へ向くように、師走が来ればその次にお正

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 右門捕物帖(二)
  • 春陽文庫、春陽堂書店
  • 1982(昭和57)年9月15日