かていこごと
家庭小言

冒頭文

一 近頃は、家庭問題と云うことが、至る所に盛んなようだ。どういう訳で、かく家庭問題が八釜敷なって来たのであろうか。其の原因に就いて考えて見たらば、又種々な理由があって、随分と面白くない原因などを発見するであろうと思われる。乍併(しかしながら)、此の家庭問題を、色々と討究して、八釜しくいうて居る現象は、決して悪い事でない、寧(むし)ろ悦ぶべき状態に相違ないのであろう。只其の家庭問題を、彼是云うて居

文字遣い

新字新仮名

初出

一「新佛教 第六卷第一號」新佛教徒同志會、1905(明治38)年1月1日<br>二「新佛教 第六卷第二號」新佛教徒同志會、1905(明治38)年2月1日<br>三「新佛教 第六卷第四號」新佛教徒同志會、1905(明治38)年4月1日

底本

  • 作家の自伝102 伊藤左千夫
  • 日本図書センター
  • 2000(平成12)年11月25日