かんいしょうかほう
簡易銷夏法

冒頭文

私の樣に田舍にばかり居て何といつて極つた用もないものには銷夏法抔といふ六かしいことを考える必要もなく隨つて名案もありません只今では少し百姓の方に手を出して居るので氣候が暑く成るに連れてずん〳〵と氣持のよく成るのが畑の陸稻です大豆の葉の朝風にさわ〳〵と搖れるのも目が醒めるやうです暇の折には自分の仕付けた畑を何遍となく廻つて歩きます幾ら見ても飽きることが有りません作物の凡でが(ママ)どうも主任者たる私

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「中央公論」1913(大正2)年8月1日

底本

  • 長塚節全集 第五巻
  • 春陽堂書店
  • 1978(昭和53)年11月30日