しをうしないたるわれわれ
師を失いたる吾々

冒頭文

貴墨(きぼく)拝見仕(つかまつり)候、新(あらた)に師を失いたる吾々が今日に処するの心得いかんとの御尋(おたずね)、御念入の御問同憾(どうかん)の至(いたり)に候、それにつき野生も深く考慮を費したる際なれば、腹臓なく愚存(ぐぞん)陳(ちん)じ申(もうす)べく候 正岡先生の御逝去が吾々のために悲哀の極みなることは申(もうす)までもなく候えども、その実先生の御命が明治三十五年の九月まで長延び候はほ

文字遣い

新字新仮名

初出

「心の花 第五卷第十一號」大日本歌學會、1902(明治35)年11月1日

底本

  • 子規選集 第十二巻 子規の思い出
  • 増進会出版社
  • 2002(平成14)年11月5日