いずいとう
伊豆伊東

冒頭文

伊豆の東海岸は伊太利亜のソレントオやアマルフイイの一帯と景色が好く似てゐます。断崖の下に少しばかりの渚があり、それにさざなみが打ち寄せ打ち返すさまなどは、アトラアニなどがさうでした。そういへばソレントオは熱海(あたみ)、ポジタノは舞鶴(まなづる)、またヹズヸオの煙は大島の御神火(ごじんくわ)に相応します。たゞ西洋は建物ががつしりとしてゐて、殊に伊太利亜では谷の低地よりも山頂、山腹に家を建てならべる

文字遣い

新字旧仮名

初出

「サンデー毎日 第九年第三十五號(日本百景號)」1930(昭和5)年8月3日

底本

  • 日本随筆紀行第一〇巻 静岡|山梨 仰ぎ見る富士は永遠
  • 作品社
  • 1988(昭和63)年10月10日