はいかいたいよう
俳諧大要

冒頭文

ここに花山(かざん)といへる盲目の俳士あり。望一(もういち)の流れを汲(く)むとにはあらでただ発句(ほく)をなん詠(よ)み出(い)でける。やうやうにこのわざを試みてより半年に足らぬほどに、その声鏗鏘(こうそう)として聞く者耳を欹(そばだ)つ。一夜我が仮住居(かりずまい)をおとづれて共に虫の音(ね)を愛(め)づるついでに、我も発句といふものを詠まんとはすれどたよるべきすぢもなし、君(きみ)わがために

文字遣い

新字旧仮名

初出

「日本」日本新聞社、1895(明治28)年10月22日~12月31日

底本

  • 俳諧大要
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1955(昭和30)年5月5日