ぜにがたへいじとりものひかえ 213 ひとめせんりょう
銭形平次捕物控 213 一と目千両

冒頭文

一 「親分、東両国にたいそうな小屋が建ちましたね。あッしは人に誘われて二三度覗きましたが、いや、その綺麗さというものは」 八五郎は相変らず江戸中のニュースを掻き集めて、親分の銭形平次のところへ持って来るのでした。 「御殿造りの小屋でも建ったのかえ」「そんな間抜けなものじゃありませんよ。小屋は昔からチャチなものですが、中味が大変なんで、たまらねえほど綺麗な娘太夫が二人」「馬鹿だなア、まだ松も取れな

文字遣い

新字新仮名

初出

「オール讀物」文藝春秋新社、1950(昭和25)年1月号

底本

  • 橋の上の女 ――銭形平次傑作選②
  • 潮出版社
  • 1992(平成4)年12月15日