ぜにがたへいじとりものひかえ 245 しゅんしょう
銭形平次捕物控 245 春宵

冒頭文

【第一回】 一 その晩、出雲屋の小梅の寮は、ハチ切れそうな騒ぎでした。 出雲屋の主人、岩太郎が、野幇間(のだいこ)の奇月の仲人で、新たにお滝という召使を雇い入れ、その御披露やらお祝やらを兼ねて、通人出雲屋岩太郎が、日頃昵近(じっこん)にして居る友達や、お取巻の面々を、小梅の寮に招き、一刻千金と言われる春の宵を、呑んで騒いで、頃合を見計って船と駕籠(かご)で送り返そうという寸法だったのです。

文字遣い

新字新仮名

初出

「サンデー毎日」1951(昭和26)年1月7日号~1月21日号

底本

  • 銭形平次捕物控 猿回し
  • 毎日新聞社
  • 1999(平成11)年6月10日