ぜにがたへいじとりものひかえ 243 さるまわし
銭形平次捕物控 243 猿回し

冒頭文

【第一回】 一 その頃江戸中を荒した、凶賊黒旋風(こくせんぷう)には、さすがの銭形平次も全く手を焼いてしまいました。 本郷、神田、小石川へかけて、町木戸の無いところを選(よ)って、三夜に一軒、五日に二軒、どうかするとそれが連夜に亘って、江戸の物持ち、有徳の町人共を、全く恐怖のドン底に陥入れてしまったのです。 「八、弱ったな、俺は十手捕縄(じってとりなわ)を預かってから、こんなに弱ったこと

文字遣い

新字新仮名

初出

「サンデー毎日」1950(昭和25)年11月26日号~12月10日号

底本

  • 銭形平次捕物控 猿回し
  • 毎日新聞社
  • 1999(平成11)年6月10日