ぜにがたへいじとりものひかえ 241 ひとちがいさつじん
銭形平次捕物控 241 人違い殺人

冒頭文

【第一回】 一 「親分、世の中にこの綺麗なものを見ると痛めつけたくなるというのは、一番悪い量見(りょうけん)じゃありませんか、ね」 八五郎が入って来ると、いきなりお先煙草を五、六服、さて、感に堪(た)えたように、こんなことを言い出すのです。 九月になってから急に涼しくなって、叔母が丹精(たんせい)して縫(ぬ)い直してくれた古袷(ふるあわせ)も、薄寒く見えますが、当人は案外呑気で、膝小僧のハミ

文字遣い

新字新仮名

初出

「サンデー毎日」1950(昭和25)年10月15日号~29日号

底本

  • 銭形平次捕物控 猿回し
  • 毎日新聞社
  • 1999(平成11)年6月10日