らいちょうしに
らいてう氏に

冒頭文

らいてうさま、 お体の工合はどんなですか、私は一週間目から産褥をはなれて居ります、この辺は御大典奉祝の「ドンタク」で大変です、東京もさぞ大変でせう。 漸く帰京が出来るやうになりました。けれども子供の事では随分迷ひました。けれども結局矢張り同じ他手(ひとで)をかりるにしても自分の近くでないとどうしても安神(あんしん)が出来さうにもありませんので連れてかへることにしました。「里子にやるとにくむ

文字遣い

新字旧仮名

初出

「青鞜 第五巻第一一号」1915(大正4)年12月号

底本

  • 定本 伊藤野枝全集 第二巻 評論・随筆・書簡1――『青鞜』の時代
  • 學藝書林
  • 2000(平成12)年5月31日