へんしゅうしつより (せんきゅうひゃくじゅうよねんさんがつごう)
編輯室より (一九一四年三月号)

冒頭文

□今月号の従妹に宛てた私の手紙は実におはづかしいものだ。私はあのまゝでは発表したくなかつた。もう少ししつかりしたものにして発表したかつた。併(しか)し日数がせつぱつまつてから出さうと約束したので一端書きかけて止めておいたのをまた書きつぎかけたのだけれどもどうしても気持がはぐれてゐて書けないので、胡麻化してしまつた。本当にいけないことだと自覚はして居る。この償ひとして来月号には本当に一生懸命に書くつ

文字遣い

新字旧仮名

初出

「青鞜 第四巻第三号」1914(大正3)年3月号

底本

  • 定本 伊藤野枝全集 第二巻 評論・随筆・書簡1――『青鞜』の時代
  • 學藝書林
  • 2000(平成12)年5月31日