へんしゅうしつより (せんきゅうひゃくじゅうごねんろくがつごう)
編輯室より (一九一五年六月号)

冒頭文

□毎号々々意に満たないものばかり皆様にお目に懸けなければならないのを本当に残念に思ひます。先月号はあんなに後れてしまひますし、今月はまた、私のからだが重くて少しも思ふやうに動きませんので毎日々々怠けてゐましたので思ふ程の原稿も書けずにこんなうすいものが出来ました。けれども頁の少いことが直ちに価値の如何にかゝはることにはならないと自分ながら苦しい云ひ訳をしてゐます。来月は少し実のある長いものを書く気

文字遣い

新字旧仮名

初出

「青鞜 第五巻第六号」1915(大正4)年6月号

底本

  • 定本 伊藤野枝全集 第二巻 評論・随筆・書簡1――『青鞜』の時代
  • 學藝書林
  • 2000(平成12)年5月31日