さいきんのかんそう |
| 最近の感想 |
冒頭文
細々した日々の感想を洩れなく書きつけて見たらばと思ふが、まだなか〳〵さうは行かないものである。 最近の私の感じた事と云へば、「エゴ」の中の「家出の前後」と題する千家元麿(せんけもとまろ)氏の脚本である。私は前からあのグループの人達の書くものには可なりな興味をもつて注意してゐた。そして彼(あ)の人たちに対する他の人たちの態度をぢつと見てゐた。併(しか)し何時迄たつても一人として彼の人たちに目を向
文字遣い
新字旧仮名
初出
「青鞜 第四巻第八号」1914(大正3)年8月号
底本
- 定本 伊藤野枝全集 第二巻 評論・随筆・書簡1――『青鞜』の時代
- 學藝書林
- 2000(平成12)年5月31日