『ふじんかいほうのひげき』について
『婦人解放の悲劇』に就て

冒頭文

とうに『恋愛と道徳』が単行になつて出る筈であつたが、あれだけでは一冊とするにはあまりに貧弱(量の上に於て)だと云ふ書店の意見から、その後雑誌(青鞜)で発表したエンマ・ゴルドマンの『婦人解放の悲劇』と『少数と多数』になほ新に『結婚と恋愛』とゴルドマンの小伝を加へてやうやく出すことにした。なほ書店の要求を満足させる為めに自分は序の中に婦人問題変遷の歴史と云つたやうなものを書く筈になつてゐたのだけれど、

文字遣い

新字旧仮名

初出

「青鞜 第四巻第三号」1914(大正3)年3月号

底本

  • 定本 伊藤野枝全集 第二巻 評論・随筆・書簡1――『青鞜』の時代
  • 學藝書林
  • 2000(平成12)年5月31日