『せいとう』をひきつぐについて
『青鞜』を引き継ぐに就いて

冒頭文

新しきものゝ動き初めたときに旧いものから加へらるゝ圧迫は大抵同じ形式をもつて何時もおしよせて来るやうに思はれます。 青鞜(せいとう)が創刊当時から今日迄加へられて来ましたあらゆる方面に於ける圧迫がこの種のものであることは今更云ふ迄もない事ですが更に私たちの主張が従来の歴史的事実からあまりに離れてゐたと云ふ事が——それは勿論人々から圧迫を受けたり反抗されたりするも重なる原因ですが——予想以上に人

文字遣い

新字旧仮名

初出

「青鞜 第五巻第一号」1915(大正4)年1月号

底本

  • 定本 伊藤野枝全集 第二巻 評論・随筆・書簡1――『青鞜』の時代
  • 學藝書林
  • 2000(平成12)年5月31日