たくじしょをつくれ
託児所をつくれ

冒頭文

一 この長詩を書くための材料に本棚を熱心にかきまはしたが探す本は発見らない黒表紙で五十頁余りの吉田りん子といふ詩人の『酒場の窓』といふ詩集だ、捨て難いものがあつて時々本棚の整理で本を売り飛ばす時も傍に除けてをくのだから何処かにまぎれ込んでゐるに相違ない私は彼女を『奇蹟の女王』と名づけてゐる。 二 彼女が突然詩人のグループに現はれると詩人達が彼女の周囲に集つた。布切れの真中をつまみあげると布の周囲が

文字遣い

新字旧仮名

初出

「槐」1939(昭和14)年5月

底本

  • 新版・小熊秀雄全集第一巻
  • 創樹社
  • 1990(平成2)年11月15日