ふしぎないわ
ふしぎな岩

冒頭文

夜になって、ふしぎな岩は、そっと動きはじめました。岩が動くってへんですね。 あわいお星さまをすかして、霧のような山風が、ひくい谷間から、ごう、ごう、ごうと吹きあげています。どこかの森の方で、フクロウが鳴いています。岩は、どっこいしょと起きあがって、せいいっぱいにのびをしました。 「ああ、いい気候になったな……遠いところへ旅行をしてみたいな。」と、ふしぎな岩は、むくり、むくりと少しばかり歩きま

文字遣い

新字新仮名

初出

「こども朝日」1948(昭和23)年3月

底本

  • 日本児童文学大系 第二四巻
  • ほるぷ出版
  • 1978(昭和53)年11月30日