みののこと
蓑のこと

冒頭文

一 『和訓栞(わくんのしおり)』に依れば蓑(みの)の語源は「身荷(みに)の義なるべし」とある。身に担うの意に基(もとづ)いたのか。この外に異説の文献は見当らぬ。蓑を「簔」とも書くが正しくない。『和漢三才図会(わかんさんさいずえ)』は一説を立て、元来は「衰」という字であったのを後人が艸を加えて「蓑」となしたのだという。「衰」は古語である。また「正倉院文書(しょうそういんもんじょ)」や『延喜式(えんぎ

文字遣い

新字新仮名

初出

「工藝 第七十四号」1937(昭和12)年3月28日

底本

  • 柳宗悦 民藝紀行
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1986(昭和61)年10月16日