げんざいのにほんみんよう |
| 現在の日本民窯 |
冒頭文
私たちはこれから九州の南端を発して北へと上り、四国を一瞥(いちべつ)し、山陽山陰を廻り、中部の諸国を経て、北国に進み、転々と現在の民窯(みんよう)を訪ねようとするのである。もとより訪ね得ないもの、知り得ないものなど多々あるに違いない。しかし現状を知り得たもの総じて四十数カ所に及ぶ。一カ所に多くは数個のまたは十数個の窯(かま)を有つから窯数からすれば概算少なくとも二百には達するであろう。私たちはこの
文字遣い
新字新仮名
初出
「工藝 第三十九号」1934(昭和9)年2月25日
底本
- 柳宗悦 民藝紀行
- 岩波文庫、岩波書店
- 1986(昭和61)年10月16日